先代が閉店をした日のレポートです。二度と中本が食べられなくなる(当時は二代目が継ぐという話はでていませんでした)と追い詰められた中本中毒患者の方々の行動は凄まじいの一言です。ラーメン一杯食べるのに7時間待ち・・・。
この文章はWEBで偶然見つけました。作者の方にメールを出しましたが宛先不明で戻ってきてしまうので、無断で掲載させていただいております。もし作者の方がこれをご覧になりましたらご一報をお願いします。
以下、文章はすべて原文のママです。
1998年12月28日。皆さんは何をなさっていましたか?私は知る人ぞ知るラーメン屋、 激辛ラーメンで有名な「中国料理中本」にいました。この日はこの店の閉店日。 ここのラーメンが食べられるのもこの日が最後ということで長蛇の列。 この店のオーダーシステムは特殊で私も覚えるのに苦労しました。 まず開店時間が11:30とかいてあるのですが10:00頃からすでに注文できるのです!! そして11:00頃には料理ができて食べ始める人も出てくるのです。まずここで初心者は お手上げ。さらにここのメニューは「蒙古タンメン」、「札幌味噌ラーメン」など 聞いたことのないものばかり。これをさらに混乱させるのが店内のメニュー表示。 昔あったが今は作っていないメニューまで貼ってあるのではじめての客が「え~と、 チャーシューメン」などと言おうものなら「すみません、それ今やってないんです」の声。 ないなら剥がしてよ・・・。それらのメニューを定食(ミニ麻婆丼が付く)にしたり、 大盛りにしたり(麺、具、定食ライス・麻婆それぞれを大盛りにできる。定食の全ての内容を 大盛りにしたい場合は「~定、全部大盛り!」と常連は注文する。あまり知られていないが 大盛りの上にジャンボというのもあった)するのだからバリエーションが多すぎて 1、2回じゃよく理解できない。こんな中、初心者が最も混乱するのが注文した後。この店は注文したら出来上がるまで (30分~1時間半ぐらい)はどこに行っていてもいいので常連は時間までどっかに行ってしまいます。 初心者から見ればずっと待っているのに後から入ってきた客(実際はすでに注文 している常連)に先に料理が出るので「ちょっと、こっちが先じゃないのー!」と 怒ってしまうというわけです。
そんな初心者に手厳しいお店ですが、ラーメンの味は一度食べたらやめられない うまさ。それに常連になっちゃえば逆にラクな店なのでついつい足が向いてしまう ワケでした。 この日、店に着いたのは8:50ぐらい。もう大変な騒ぎになっていました。 ちょっと前には人が多すぎるので警察も出動したそうだ。列の一番後ろに並び、おとなしく待っていると待ち合わせをしていた友人が もう注文したとのこと。聞けばこの列はただ待っているだけで注文する気配が ないとのこと。そんなワケで店内に入ってみると確かに誰も注文しない。 なんだ、じゃぁ注文しま~す!!そうなんです。列に並んでいたのは初心者連中で、 常連はいつものようにとっとと注文をしていたんです。最後の日であろうと いつもと変わらない常連。う~ん、美学ですね~。友人が注文したのは8:45ぐらいで私が注文したのが8:55。今日は最後なので 店内で待とうということになりました。
10:30。開店の1時間前(といってもすでに店内にいる)。長蛇の列がようやく なくなったと思ったら麺切れ(オーダーストップ)。え~、まだ開店前なのに~!? 早く来てよかったとほっと胸をなで下ろす。フ~。
10:30~12:00の間。続々と客が来るが「麺切れ」の声で帰っていく。みんな 納得いかない様子。そりゃそうだよな~。中には状況が把握できないでぼ~っとその場に立ちつくす人や 「何でないの~」と麺切れに逆ギレする人も。ベタな ギャグですみません~。
12:00過ぎ。友人の注文「蒙古タンメン定食全部大盛り」が来た。うまそうに 食う。私のももうすぐかな?
12:30。友人食べ終わる。私の注文「北極ラーメン定食全部大盛り」は 未だ来ない。
2:00。友人はとっくに帰った。ようやく料理が来る。まさか10分の差が2時間に なろうとは・・・。来たラーメンは真っ赤。「北極超辛」はやっぱりめっちゃ から~い!!泣きそうになりながら最後の中本の味を堪能する。10;30に頼んだ 客は5時半以降にできるそうだ。そんなに待てるのかなぁ~。
5月。用事があって中本の近くに行ったのでついでだからと いってみた。そうしたら・・・。
すでに店はなく、更地になっていた。ノスタルジーに浸るつもりが 思いっきりブルーになってしまいました。