先代インタビュー

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2005年10月25日、先代中本正さんとお話をする機会がありましたので色々とご質問をさせていただきました。現役の頃と違い、常に笑顔で優しくお答えいただきました。
2014年3月6日、お亡くなりになりました。

Q.開店当初より辛いラーメンがあったのですか。辛いラーメンはおじさんの戦略だったのですか。
A.もともとごく普通の物をおいていたんだけど、僕が辛い食べ物が好きだったから辛いメニューを出してみたんですよ。そうしたら結構評判が良くて。それでいろいろ調べてオープン1年後ぐらいには、味噌タンメン、蒙古タンメンがメニューになったんです。

Q.おじさんはどのようなポリシーで営業されていたのですか。
A.お客さんがすごく並んでくれていたので、少しでも早くお客さんへお出し出来るようにと思っていましたよ。今みたいに人手がなかったので、思うようにいかなくて・・・たくさんのお客さんをお待たせしちゃったね。

Q.当時一番人気があったメニューは何でしょう?
A.やっぱり蒙古タンメン。夏場は冷し味噌かな。

Q.おじさんが一番思い入れのあるメニューは何ですか?
A.自分が辛い物が好きだから、冷し味噌と北極ですねぇ。今でも店で食べるし、麺を買ってきて家で食べたりしますよ。

Q.当時お客さんだった白根さんの印象は?
A.白根さんはねぇ・・・たくさん食べる人だなーと思ってました。たまに麺二つに定食を食べてたからね。 ちょっとガラが悪そうだったからよく覚えてます(笑)。おじさんのセンスから言うとファッションセンスはイマイチだったね(笑)。

Q.たくさんの方や企業が「中本を継ぎたい」と来たと思いますが、その中でなぜちょっとガラの悪そうな白根さんだったのでしょうか?
A.一番しつこかったかな(笑)。いつもいつも僕の家に来て、何度断ってもまた来るんだよね。それで「絶対にダメだ」って言ったら、「じゃあ、僕の為に一杯だけ作ってくれないか」って。そこまで僕のラーメンが好きな人ならいいかなって思いましたよ。結局は白根さんに押し切られた形になるのかな(笑)。

Q.修行中の白根さんはいかがでしたか?
A.見た目と違って彼は礼儀正しくて素直なんだよね。毎日毎日僕の家に来て本当に真剣にやっていたから僕も手を抜かなかったよ。もう教える事は無いっていうくらい徹底的に教えたよ。でも、お店を出す時は内装の事なんかで意見の食い違いもあったね。僕には僕の経験があったけど、白根さんは白根さんでたくさん勉強してきたみたいだったから。

Q.今でもお店に立たれる事がありますが今のスタッフはいかがですか?
A.今の店は元気があって、すごく活気があると思いますよ。みんなマジメだしね。

Q.おじさんの頃と味は違いますか?
A.みんな僕が教えた通り作ってるよ。でも人によって少し味が違うかな。ラーメンっていうのは簡単そうに見えて難しいんですよ。

Q.現在の中本についてどう思われますか?
A.僕の時と違って、いつでも食べられるようになったことはとっても良いことだよね。

Q.当時の学生さんに一言!
A.たまにお店で当時の先輩(※)と会うけど、皆さん立派になっちゃって・・・当時の学生さんも面影でわかるよ。店にいると声をかけてくれたりすると嬉しいし、懐かしくなりますね。あ、まだ、お客さんでいてくれてるんだと思うと嬉しくてね。自分のお子さんを連れてきてくれたり、親子3代で来てくれたり、本当に嬉しいですよ。
(※ おじさんは、成人されている当時のお客さんを先輩と呼びます)

Q.今のお客さんに一言!
A.店を閉めた時はこれで終わりだと思ったけど、白根さんがやってくれて今は僕の時以上にたくさんのお客さんが増えて、僕の作ったラーメンを大勢の人に食べてもらって本当に幸せですよ。

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